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2015.07.24更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第11回の今回は、ついに最終回です。

最終回の今回は、復職後の再発についてご説明します。

 

復職後にメンタル不調を再発することは、めずらしくありません。
このような場合には、就業規則に休職期間の通算制度があれば、それを基に休職期間を算出します。
他方、就業規則上、一度復職すれば何度でも再度の休職に入ることができてしまうような制度になっている場合には、再度の休職を認めざるを得ないケースがほとんどです。

既存の就業規則が現実にそぐわないものであれば、休職期間の通算制度を導入するなど、今日のメンタルヘルス問題に対応した内容に就業規則を変更することも考えられます。

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2015.07.24更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第10回の今回は、リハビリ出勤についてご説明します。

 

(1)リハビリ出勤とは
リハビリ出勤とは、正式に復職をさせる前に、本当に復職させて業務ができるかどうかを確認するために、試しに出勤させることを言います。
復職を認めるか否かの判断に迷う場合には、会社としては、休職している社員にリハビリ出勤(「トライアル出社」等別の呼び方をするケースもある)をさせて、その結果を踏まえて復職の可否を判断することが考えられます。
リハビリ出勤の内容を就業規則で定めている場合には、就業規則の定めに従ってリハビリ出勤を実施しますが、就業規則に特に定めがなければ、休職者と相談をした上で、期間や内容を定めていく事になります。

 

(2)リハビリ出勤の注意点
リハビリ出勤の注意点は、以下のとおりです。
・就業規則等の根拠規定がない限り、リハビリ出勤の機会を作ることは会社の義務ではない。もっとも、復職を認めず解雇したり退職させた後にその有効性が争われた場合には、リハビリ出勤の機会を与えたか否かが、会社の対応の適法性を判断する材料として考慮されることはある。
・リハビリ出勤の期間については、特段の決まりはないが、1ヶ月から3ヶ月程度が合理的と思われる。当初は出勤だけさせて、その後作業をさせるようにして、徐々に負荷をかけて最終的には所定労働時間を作業させるのが良い。
・リハビリ出勤は、正式な復職ではなく、復職の可否を判定するためのものである。このリハビリ出勤の趣旨を書面で従業員に伝え、明確に理解させる必要がある 。
・リハビリ出勤を開始する前に、リハビリ出勤期間中の処遇を書面に明記して、休職者本人にも明確に理解させる必要がある。そして、就業規則にリハビリ出勤期間中の処遇に関する定めがなければ、賃金や交通費の支給の有無を明確に書面に記載し、休職者本人にから事前に同意を得るべきである。
・リハビリ出勤の可否・内容は、主治医や産業医と相談した上で決定し、かつ、同僚や上司には本人の様子を監視させ、絶対に無理はさせない(リハビリ出勤が原因で病状が悪化すると、会社が責任を問われかねない。)。

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2015.07.22更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第9回の今回は、従業員が主治医の診断書の提出を拒否したり、産業医や指定医による診察を拒否する場合の対応をご説明します。


第7回でご説明したとおり、復職の可否を判断するのは、従業員でも主治医でもなく、あくまで会社ですが、休職からの復帰を希望する従業員が主治医の診断書の提出を拒否したり、会社が主治医に事情確認することを拒否したり、産業医や指定医による診察を拒否する場合には、どうすればよいでしょうか?
この場合、会社として復職の可否を判断するための情報が手に入らないため、復職の可否を判断するのが非常に難しくなります。
結論から言えば、このような場合には、そのような従業員の態度自体を、復職できるほどに体調が回復していないことの表れであるとみなし、復職を認めないことを正当化する事情の一つとして考慮すればよいでしょう。
裁判所も、この手の事案では、情報提供に協力しない従業員の態度自体を、自動退職扱いや解雇を相当と認める事情の一つとして認めてくれています。


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2015.07.22更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第8回の今回は、主治医と産業医・指定医の判断が異なる場合の対応をご説明します。


前回ご説明したとおり、復職の可否を判断するのは、従業員でも主治医でもなく、あくまで会社です。
したがって、会社としては、主治医と産業医・指定医の判断が異なる場合には、主治医と産業医・指定医の意見を比較し、いずれを信用するかを事案に応じて決定する必要があります。

裁判所も、主治医と産業医・指定医の意見が分かれた際には、個別の事案ごとに、いずれの判断が信用できるか検討しています(裁判所も、常にどちらか一方の判断を採用しているわけではありません)。

例えば、主治医が復職可能という診断書を書いていたとしても、薬の服用量が減っていないような場合には、主治医の判断を疑う一つの要素になるでしょう。また、会社の担当者との面談の際に明らかに体調が悪い様子が伺える場合にも、主治医の復職可能という判断を疑う必要があるでしょうか。
最終的にはケースバイケースの判断になりますので、一般論を申し上げるのが難しいのですが、さまざまな視点から主治医の意見と産業医・指定医の意見を分析し、会社としての結論を出すことになります。

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2015.07.22更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第7回の今回は、復職の可否の判断をする際の注意点をご説明します。


(1)復職の可否の判断主体
復職の可否を判断するのは、従業員でも主治医でもなく、あくまで会社です。会社が、主治医・産業医・指定医の診断結果や復職の可否に関する意見等を参考にしたうえで、担当業務の内容や就業環境に照らして労務の提供が可能であるのかについて総合的に考察し、判断することになります。主治医の復職の可否に関する意見は、復職の可否を判断する一資料にすぎず、会社は、主治医の判断と異なる決定をしなければならないこともあります。


(2)復職の可否の判断基準
復職を認めるためには、本来は、従前の職務を通常程度に行える健康状態に回復していることが必要です。
しかしながら、近時の裁判例は、そこまで回復していなくても、一定の場合には復職を認めるべきだと判示するものが多いです。

具体的には、まず、休職した従業員が、従前の職務を完全に遂行することはできないとしても、従業員の能力・経験・地位、会社の規模・業種、会社における労働者の配置、異動の実情及び難易等に照らして、当該従業員が配置される現実的可能性がある他の業務を遂行することができるのであれば、復職を認めなければならないとされています。

 

また、当初は軽易な職務に就かせること等をすれば短期間で従前の職務を通常に行うことができると予測できる場合にも、復職させなければならないとする裁判例も増えてきています。ここでいう「短期間」というのがどの程度の期間を指すのかについて明確に述べた裁判例はありませんが、「2、3か月程度」で完全な復職が可能であったことを理由に自動退職扱いを無効とした事例と、従前の業務量の半分程度の業務を「半年程度」継続させるというのは長すぎるとして復職を認める必要はないと判断した事例がありますので、これらを参考にしながらケースバイケースで判断していく事になります。

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2015.07.22更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第6回の今回は、休職開始後に会社側でとるべき対応をご説明します。


休職開始後、会社として重要なのは、放置をしないことです。
休職期間中、休職している従業員に連絡をせず、休職期間満了の直前になって焦って情報収集をしようとしても、間に合わないことがありますので、注意が必要です。


では、休職期間中に会社は何をすればよいのでしょうか?
事案によって適切な対応は異なりますが、少なくとも以下の対応はしておくべきでしょう。
・休職者との面談を定期的に行い、体調、生活状況、通院状況、薬の種類や服用状況、主治医とのやりとり、今後の治療の予定等を聞き取る。
・診断書を定期的に提出してもらう。
・従業員の同意を得た上で、必要に応じて、主治医に対して情報提供を依頼する 。特に、休職からの復帰を認めずに解雇したり退職させる場合には、事前に主治医からの情報収集をしたうえで、最終判断を下すべきである。
・可能であれば、会社の産業医又は指定医にも、面談・診察を定期的に行ってもらい、詳細に記録を残しておいてもらう。
・休職期間満了の2、3ヶ月前には、本人に対して、休職期間の満了が迫っていることを書面で通知し、復職を希望する場合には復職の可否について言及した診断書を提出する必要があること、満了日までに復職が可能にならなければ退職になること等を伝える。

 

なお、これらをやっておけば十分と言う意味では決してなく、実際には、ケースバイケースで、適切な対応が異なってきますので、ご注意ください。
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本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。

シリーズ第5回の今回は、会社から従業員に対して、産業医や会社の指定する医師の面談や診察に応じるよう命じることができるかどうかについて、ご説明します。

 

メンタル不調事案では、従業員は体調が回復したので復職できると主張し、同じ内容の主治医の診断書を提出してきたものの、明らかにまだ体調不良に見えるため、会社としては復職を認められないというシチュエーションが良くあります。
このような場合、会社としては、主治医の診断が本当に正しいのか確認するために、会社が指定した別の医師にも診察・面談をしてもらいたいと考えるのが通常です。
では、このような場合に、産業医や会社の指定する医師の面談や診察に応じるよう命じることはできるのでしょうか?

 

まず、就業規則に産業医や会社が指定する専門医への受診命令に関する規定がある場合には、使用者は、当該規定に基づいて、従業員に対して診察を受けるように命じることができます。

では、就業規則に産業医や会社が指定する専門医への受診命令に関する規定がない場合は、どうでしょうか?
この場合でも、一定の合理的な理由がある場合には、使用者が従業員に対して診察を受けるように命じることができると考えてよいでしょう。
実務上も、会社側は、就業規則に規定がない場合であっても、産業医や会社が指定する専門医への受診を命じることは珍しくありません。

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シリーズ第4回の今回は、私傷病休職への入り方をご説明します。

従業員がメンタル不調で業務ができない場合には、主治医の診断書、主治医からのヒアリング、産業医や会社指定医の診断結果等を踏まえて、私傷病休職に入ってもらうことになります。
休職への入り方は、就業規則の定め方次第ですが、一定の欠勤期間経過後に自動的に休職に入る制度にしているケースもあれば、従業員本人の希望や会社からの休職命令によって休職期間が開始する制度にしているケースもあります。
いずれにしても、重要なのは、就業規則で定められた休職開始の手続きをきちんと遵守することです。
この手続を怠ると、その後の休職期間満了による退職まで無効とされてしまうリスクがあるので、注意が必要です。

 

そして、休職に入る際には、少なくとも、以下のような対応をとるのが確実です。
・休職開始時に、会社の休職制度の内容や休職期間中の取り扱い(休職期間の開始日と満了日、給与の有無、保険料の本人負担分や住民税の支払い方法 、復職できなかった場合の帰結等)を書面で説明し、できればその内容に同意する署名もしてもらう。・今後主治医から会社に病状等の情報や意見を提供してもらうことについて、休職者本人から書面で同意を得る。
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本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどう対応すべきか、ご説明していきます。
シリーズ第3回の今回は、従業員がメンタルヘルス不調が労災であると主張して、労災申請を希望する場合に、会社としてどのように対応すべきか、ご説明します。

 

(1)トラブルの実例

実務上よくトラブルになるのは、会社としては労災と言う認識がないのに退位して、従業員(従業員が亡くなった場合には遺族)側は労災だと主張し、双方の認識に齟齬が有る場合です。

こような場合には、会社としては、事故が起きるに至った経緯を良く調べて、弁護士に相談をしながら、労災と言えるかどうかを検証する必要があります。

その上で、やはり労災とは言えないと判断できた場合には、その旨を従業員側に説明せざるを得ません。

 

(2)申請書に押印してよいか?

従業員側は、会社の判断に不服があれば、労災申請をすることもできます。

そして、そのような場合、従業員側から会社に対して、労災申請をする際に労基署に提出する申請書(遺族が申請する場合には「遺族補償年金支給請求書」という書式になります)に、押印するよう求められることがあります。

この押印は、申請書の記載内容に間違いがないと会社が証明するためのものですので、会社の認識が従業員側の認識と異なる場合には、この押印をしてはいけません。

押印をすると、従業員側の主張を認めたことになりかねませんので、注意が必要です。

 

(3)申請後の対応

労災申請がされると、労基署から会社に事情聴取や資料提供の要望が入ります。

会社が労災ではないと考えているのであれば、そのような会社の認識を裏付ける事情を説明すると共に、関連する資料を提供し、労基署に理解を求めていく事になります。

この労基署とのやりとりで十分な説明や資料の提供ができないと、会社の言い分が認めてもらませんので、弁護士と相談をしながら慎重に対応する必要があります。

労基署は、このような調査をした上で、通常は申請から6ヵ月程度で判断を出すことが多いです。

なお、労基署が労災ではないという判断を下した場合には、従業員側が不服申し立てをすることもあります。

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2015.07.21更新

本日も、従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどうすればよいか、ご説明します。

シリーズ第2回の今回は、そもそも私傷病とは何か、労災と私傷病の区別基準についてご説明します。

 

1.私傷病・労災とは

まず、労災とは、「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」や「通勤による負傷、疾病、障害又は死亡」のことを言います。

つまり、怪我や病気が会社の業務に起因するものであれば、それは労災ということになります。

これに対して、「私傷病」とは、法律上の定義は存在しないものの、通常は、業務に起因しない傷病を「私傷病」と呼ぶ(医療法人健進会事件・大阪地判平成24年4月13日)。

そして、私傷病であれば、通常は、会社の就業規則に従って私傷病休職に入り、休職期間満了までに復職できなければ、自動退職又は解雇になります。そして、私傷病休職中は無給扱いにしている会社が大多数です。

他方、労災であれば、原則として療養のための休業中は解雇ができず、休職中の従業員は国からの労災保険給付を受けることができます。さらに、従業員は、会社に対して、休職期間中の賃金を請求したり、慰謝料等の損害賠償請求をする余地も出ます。

このように、私傷病なのか労災なのかによって、大きな違いが出ますので、会社としては、その見極めが非常に重要になります。

ケースによっては、従業員との間で、うつ病などのメンタルヘルス不調が私傷病なのか労災なのかで争いが生じることもありますので、注意が必要です。

 

2.私傷病と労災を区別する基準について

労災かどうかを判断するための基準としては、厚労省の「心理的負荷による精神障害の認定基準」(平成23年12月26日基発1226第1号)があります。

この基準では、労災と認定するための要件を、以下のように定めています。

① 対象疾病となる精神障害を発病していること。
② 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
③ 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。

この中で最も重要なのが、②です。

 

②の詳細は、認定基準に記載されていますが、大まかに言えば、以下のような内容になっています。

(a) 認定基準別表1・1頁の「特別な出来事」がある場合
→心理的負荷の総合評価を「強」と判断する。

 

(b)「特別な出来事」がない場合

→以下のア~ウに従って判断する。

 対象疾病の発病前おおむね6か月間に起きた出来事の内容に応じて、認定基準別表1の「具体的な出来事」の一覧表に沿って判断する。

 出来事が複数ある場合には、以下の(ア)(イ)のような総合評価を行う。

(ア)いずれかの出来事が「強」の評価となる場合は、全体評価も「強」とする。
(イ)いずれの出来事でも単独では「強」の評価とならない場合には、まず、(i) 複数の出来事が関連して生じている場合には、その全体を一つの出来事として評価する。具体的には、「中」である出来事があり、それに関連する別の出来事(それ単独では「中」の評価)が生じた場合には、出来事の内容、程度により「強」又は「中」として全体を評価する 。次に、(ii) 複数の関連しない出来事が生じている場合には、出来事の数、各出来事の内容(心理的負荷の強弱)、各出来事の時間的な近接の程度を元に、その全体的な心理的負荷を評価する。具体的には、単独の出来事の心理的負荷が「中」である出来事が複数生じている場合には、全体評価は「中」又は「強」となる。また、「中」の出来事が一つあるほかには「弱」の出来事しかない場合には原則として全体評価も「中」であり、「弱」の出来事が複数生じている場合には原則として全体評価も「弱」となる。

 恒常的な長時間労働がある場合には、以下の(ア)(イ)(ウ)のような総合評価を行う。
(ア)具体的出来事の心理的負荷の強度が労働時間を加味せずに「中」程度と評価される場合であって、出来事の後に恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められる場合には、総合評価は「強」とする。
(イ)具体的出来事の心理的負荷の強度が労働時間を加味せずに「中」程度と評価される場合であって、出来事の前に恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められ、出来事後すぐに(出来事後おおむね10日以内に)発病に至っている場合、又は、出来事後すぐに発病には至っていないが事後対応に多大な労力を費しその後発病した場合、総合評価は「強」とする。
(ウ)具体的出来事の心理的負荷の強度が、労働時間を加味せずに「弱」程度と評価される場合であって、出来事の前及び後にそれぞれ恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められる場合には、総合評価は「強」とする。

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従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(3)-労災申請への対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(4)-私傷病休職への入り方-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(5)-産業医面談-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(6)-休職開始後の対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(7)-復職の可否の判断-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(8)-主治医と産業医・指定医の判断が異なる場合の対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(9)-従業員が主治医の診断書の提出を拒否した場合の対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(10)-リハビリ出勤-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(11)-リハビリ出勤-

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