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2013.07.12更新

本日から、最近ご相談を受けることが多いメンタルヘルスの問題に関する記事を連載していきます。
従業員がうつ病や適応障害などのメンタル不調になった場合に会社としてどうすればよいか、順番にご説明していきます。

まず第1回は、メンタルヘルスを病んだ従業員が利用する私傷病休職制度について、ご説明したいと思います。

1.私傷病休職とは
私傷病休職とは、従業員が傷病により労務を提供できなくなった場合に、直ちに解雇するのではなく、休職により一定期間労務に従事することを免除し、休職期間満了までに労務提供が可能になれば復職させ、休職事由が消滅しないまま休職期間が満了したときは自動退職とする制度です。要するに、、休職とは、従業員が労務の提供をできなくなった場合の一種の解雇猶予措置なのです。
多くの会社の就業規則には、このような休職制度が設けられていると思います。

従業員が休職に入る時の手続としては、私傷病により労務を提供できなくなった従業員が自ら休職を希望する場合と、会社が従業員に対して休職を命じる場合の2種類があります。

2.私傷病休職を利用させずに直ちに解雇することはできるのか
休職しても復職できる見込みがない従業員については、休職を介さずに直ちに解雇することも理論上はあり得ますが、復職の見込みがないことの立証は実際には困難ですから、まずは、休職期間に入ってもらうのが無難です。
この点について参考になるのが、日本ヒューレット・パッカード事件(最高裁第二小法廷平成24年4月27日判決)です。
この事件では、従業員が、被害妄想など何らかの精神的な不調により、約3年間にわたり加害者集団からその依頼を受けた専門業者や協力者らによる盗撮や盗聴等を通じて日常生活を子細に監視され、これらにより蓄積された情報を共有する加害者集団から職場の同僚らを通じて自己に関する情報のほのめかし等の嫌がらせを受けているとの妄想を有しており、そのために、同僚らの嫌がらせにより自らの業務に支障が生じており自己に関する情報が外部に漏えいされる危険もあると考え、会社に事実の調査を依頼したものの納得できる結果が得られず、会社に休職を認めるよう求めたものの認められず出勤を促すなどされたことから、自分自身が上記の被害に係る問題が解決されたと判断できない限り出勤しない旨を会社に伝えた上で、有給休暇を全て取得した後、約40日間にわたり欠勤を続けた事案です。このような事案について、最高裁は、以下のように述べて、休職制度を利用させるべきであったと判示しました。

「このような精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては,精神的な不調が解消されない限り引き続き出勤しないことが予想されるところであるから,使用者である上告人としては,その欠勤の原因や経緯が上記のとおりである以上,精神科医による健康診断を実施するなどした上で(記録によれば,上告人の就業規則には,必要と認めるときに従業員に対し臨時に健康診断を行うことができる旨の定めがあることがうかがわれる。),その診断結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべきであり,このような対応を採ることなく,被上告人の出勤しない理由が存在しない事実に基づくものであることから直ちにその欠勤を正当な理由なく無断でされたものとして諭旨退職の懲戒処分の措置を執ることは,精神的な不調を抱える労働者に対する使用者の対応としては適切なものとはいい難い。そうすると,以上のような事情の下においては,被上告人の上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たらないものと解さざるを得ず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた本件処分は,就業規則所定の懲戒事由を欠き,無効であるというべきである。」

次回は、休職期間中の会社の対応の注意点についてご説明します。
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弊事務所は、会社側(使用者側)の立場で労働問題を専門に扱っていますので、労働問題・従業員とのトラブルを抱える会社様は、弊事務所にお気軽にお問い合わせください。
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従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(3)-労災申請への対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(4)-私傷病休職への入り方-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(5)-産業医面談-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(6)-休職開始後の対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(7)-復職の可否の判断-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(8)-主治医と産業医・指定医の判断が異なる場合の対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(9)-従業員が主治医の診断書の提出を拒否した場合の対応-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(10)-リハビリ出勤-
従業員がメンタル不調になったらどうすればよいか(11)-リハビリ出勤-

2013.07.05更新

最近は、会社と従業員・元従業員との間でトラブルが発生した場合に、合同労組・ユニオンに駆け込むケースが増えてきているように思います。

労働組合法において、使用者は、原則として団体交渉に応じる義務を負っていますので、組合から団体交渉の申入れ書が来た場合には、これを無視してはいけません。無視してしまうと、労働委員会に対して、不当労働行為救済の申し立てをされる可能性もあります。では、団体交渉に応じるとしてどのような対応を採れば良いのかですが、多くの会社は団交の経験がないので、適切な判断ができないケースが多いと思います。

弊事務所は、合同労組・ユニオンから団体交渉申入書を受け取った会社様からの依頼を受けて、その後の対応に関するアドバイス、回答書の作成、団交への同席、組合との交渉等のサポートを行っています。
適切な対応方針は、事案ごとに異なりますので、まずは団体交渉の申し入れを受けるに至った経緯を詳細に教えていただいた上で、その後の対応方針をアドバイスさせて頂きます。

ご相談をご希望の会社様は、弊事務所にまずは電話でお気軽にお問い合わせください。

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