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2012.08.09更新

   今日は、税関事後調査における加算税の支払いについてご紹介します。

 輸入に関する税関の事後調査では、アンダーバリューや買付手数料等の解釈の齟齬などにより、課税価格の算定の誤りを指摘される場合があります。課税価格の算定に誤りがありますと、それを基に計算される関税及び消費税の額にも誤りがあるということとなり、関税及び消費税の申告漏れがあることとなります。

 税関では、年間6000者以上に対して、輸入に関する税関の事後調査を行っており、そのうち約7割が税関から申告漏れを指摘されています。

 事後調査において、税関から上記指摘を受けた場合で、その内容がやむを得ないといえる場合には、輸入者は、原則として、税関の指示に従って任意に輸入申告の修正申告を行い、関税及び消費税について、不足税額及び附帯税を支払うこととなります。

 不足税額は、当初申告の際に納付した税額と、税関からの指示に従って計算した場合の税額との差額となります。

 附帯税には、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税等があります。
 ①過少申告加算税
 以前申告した税額に不足額があった場合に課される税金です。
当該修正申告において納付する不足税額の10%(修正申告等により増加した税額のうち、当初申告税額又は50万円のいずれか多い金額を超える部分については、当該超える部分の15%)に相当する金額を過少申告加算税として納付する必要が生じます(関税法12の2Ⅰ、Ⅱ)。
 ただし、過少申告であったことが正当な理由によるものであると認められる部分がある場合には、この部分に対しては過少申告加算税は課されません。また、その修正申告が関税に関する調査があったことにより更正がなされることを予知してされたものでないときは過少申告加算税は課されません(関税法12条の2Ⅲ、Ⅳ)

②無申告加算税
  輸入申告が必要とされるにもかかわらず当該申告を行わずに輸入された貨物について、税関長の決定があった場合、又は当該決定後に更正があった場合に課される税金です。
  当該決定等により納付すべき税額の15%(決定等により納付すべき税額が50万円を超える部分については、当該超える部分の20%)に相当する金額の無申告加算税が課されます(関税法12条の3Ⅰ、Ⅱ)。
  ただし、無申告であったことが正当な理由によるものであると認められる場合には、無申告加算税は課されません。(関税法12条の3Ⅲ)

③重加算税
  納税義務者(輸入者)が、隠蔽又は仮装行為を行い、それに基づいて輸入申告を行った場合又は輸入申告自体を行っていなかった場合に課される税金です。
  過少申告加算税が課される場合は、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額の35%に相当する金額の重加算税が課されます(関税法12条の4Ⅰ)。
  無申告加算税が課される場合は、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額の40%に相当する金額の重加算税が課されます(関税法12条の4Ⅱ)。
  ただし、隠ぺい又は仮装されていない事実に基づいて計算した税額は、重加算税の計算の基礎となるべき税額から控除されます。
  なお、重加算税と、過少申告加算税又は無申告加算税は併科されません。


 また、その他に、不足税額及び加算税等には延滞税がかかりますので、この点も認識しておく必要があります。


 上記のように、税関の事後調査により、不足税額と附帯税を納付する必要が生じる場合には、調査対象が過去3年分の取引であることも加味すると、相当な金額に達する傾向にあります。

 この点、専門家を交えて、税関事後調査の事前準備・税関の指摘の正当性の検討・税関との交渉を行うことで、場合によっては負担額を減額できる可能性があります。

 税関との交渉、事後調査への立ち会いを行うことができるのは、通関士又は弁護士のみであるところ、当法律事務所には、通関士資格を有している弁護士がおります。交渉を業務の常とする弁護士が、通関士資格に裏打ちされた知見に基づき、税関との交渉の代理・アドバイスを行うことが可能です。(なお、税理士は、税関に関する問題については、職務権限外となっております。)

 税関の事後調査の対応・対策をご検討される際には、電話又はメールにて、当事務所にお気軽にお問い合わせください。

 その他、輸入事後調査対応に限らず、税関対応・貿易に関するご相談もお受けしております。東京税関に限らず、他の税関に対する対応についてもご相談可能です。

2012.08.07更新

 今日は、課税価格の決定方法のうち、現実支払価格の算定方法をご紹介します。
 

 課税価格の決定方法①において、原則的な課税価格の決定方法は、課税価格=取引価格=現実支払価格+加算要素であると説明しました。今回は、上記のうち、現実支払価格の算定方法を説明します。

 現実支払価格とは、輸入貨物につき、買手により売手に対し又は売手のために行われた又は行われるべき支払の総額(買手により売手のために行われた又は行われるべき当該売手の債務の全部又は一部の弁済その他の間接的な支払の額を含みます。)をいいます(関税定率法施行令1条の4)。

 現実支払価格は、次のとおり算定します(関税定率法基本通達4-2(3)、関税定率法施行令1条の4)。
1.仕入書(インボイス)価格

2.仕入書価格以外の現実支払価格の構成要素
 ①仕入書価格の他に、輸入貨物の取引の条件として割増金、契約料などが支払われる場合、仕入書価格に当該金額を加算する。
 ②輸入貨物の売手が買手以外の第三者に対して何らかの債務を負っており、当該債務を買手に弁済させることとし、輸入貨物に係る価格から当該弁済される額を控除した残額を当該輸入貨物の仕入書価格とした場合、仕入書価格に当該弁済される額を加算する。
 ③輸入貨物の売手が買手に対して何らかの債務を負っており、当該債務の全部又は一部を当該輸入貨物に係る価格の一部と相殺するため、当該債務の額を控除した残額を当該輸入貨物の仕入書価格とした場合、仕入書価格に、当該相殺される額を加算する。

3.控除する費用 
 仕入書に次に掲げる費用等が含まれている場合で、当該費用の額が明らかであるときは、仕入れ書からその額を控除します。
 ①輸入貨物の輸入申告の時の属する日以後に行われる当該輸入貨物に係る据付け、組立て、整備又は技術指導に要する役務の費用
 ②輸入貨物の輸入港到着後の運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用
 ③本邦において輸入貨物に課される関税その他の課徴金
 ④輸入貨物に係る輸入取引が延払条件付取引である場合における延払金利

4.価格調整条項付契約の場合
 輸入貨物の輸入取引に付されている価格調整条項の適用により当該輸入貨物に係る仕入書価格について調整が行われる場合は、調整を行った後の輸入貨物に係る価格が現実支払価格となる。

つまり、現実支払価格=上記1+2-3 又は 上記4+2-3 ということとなります。


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税関の事後調査に立ち会い、交渉をすることができるのは、通関士又は弁護士のみです。
当法律事務所には、弁護士資格と通関士資格を両方取得している弁護士がおります。交渉を業務の常とする弁護士が、通関士資格に裏打ちされた知見に基づき、税関との交渉の代理・アドバイスを行うことが可能です。
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