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2015.08.23更新

こんにちは。

今回は、日本において並行輸入がどのような場合に違法になるのか、ご説明します。


(1)並行輸入に関する裁判例

まず、並行輸入が商標権侵害ではないかが争われた著名な裁判例としては、以下のものがあります。
①パーカー事件
米国パーカー社の万年筆を並行輸入していた業者が、パーカー社の日本の総代理店に対して、並行輸入行為についての差止請求権不存在確認訴訟を提起した事案において、大阪地裁は、当該並行輸入行為を適法と判断しました。
②フレッドペリー事件
フレッドペリーの海外の商標権者からライセンスを受けた者(ライセンシー)がライセンス契約に違反して商品を製造していたところ、フレッドペリーの日本の商標権者が、当該商品を輸入していた業者に対して、商標権侵害を理由とする輸入販売の差止めや損害賠償を請求する訴訟を提起した事案において、最高裁は、商品がライセンス契約が定める製造国や下請の制限に違反して製造されたことを理由として、当該輸入行為を違法と判断しました。
③コンバース事件(知財高裁平成22年4月27日判決)
日本コンバース社が、米国コンバース社製の商品を並行輸入していた業者に対して、商標権侵害を理由とする輸入販売の差止めや損害賠償を請求する訴訟を提起した事案において、知財高裁は、米国コンバース社と日本コンバース社は別個独立のものであり、法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係がないことを理由として、当該並行輸入行為を違法と判断しました。

(2)並行輸入の適法性の判断基準について
上記コンバース事件において、下記(a)から(c)のすべてを満たす場合には、並行輸入は商標権侵害には当たらないとされました。
(a)並行輸入品に付されている商標が、外国の商標権者又は当該商標権者からライセンスを受けた者(ライセンシー)が適法に付した商標であること(いわゆる「正規品」であること)
※ライセンシーがライセンス契約に違反して製造した商品については、この(a)の要件を満たさないことになります。
(b)外国の商標権者と日本の商標権者が同一であるか、法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があること
※一般的には、(i)外国の商標権者と日本の商標権者が親子会社や同一の企業グループの関係にある場合、(ii)日本の商標権者が外国の商標権者の総販売代理店である場合には、上記の「法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係」が認められます。
(c)日本の商標権者が直接的又は間接的に並行輸入品の品質管理を行うことができる立場にあること

したがって、並行輸入行為が適法と判断されるためには、上記(a)から(c)の要件を満たす必要があります。
実際には、これらの要件を満たしているかどうかを判断するのが難しいケースもありますし、商標権者(ブランド・メーカー等)や商標権者からライセンスをうけた日本の総代理店(ライセンシー)等は、これらの要件を満たしている場合でも、並行輸入をやめるよう輸入業者に対して警告してくるケースもあります。

また、輸入する商品によっては、別途、日本の各種業法による規制があるケースもあります(例えば、薬事法における化粧品の輸入に対する規制、酒税法に基づく酒類の輸入に対する規制等)。

また、上記の基準はあくまで日本に並行輸入をする場合に適用されるものであって、日本から海外に並行輸入(並行輸出)をする場合には現地法で異なる規制がされていることもあります。

 

 

(3)弊事務所のサービス内容 

当事務所では、個別の事案ごとに、適法性の検証をしたり、商標権者や総代理店からのクレーム・警告・差止の要求等への対応・反論のサポートをしております。

また、製品の種類に応じて、業法による規制がないかの確認・調査も行っております。

また、日本から海外への並行輸入(並行輸出)のサポートや、必要に応じて輸出先国の現地の弁護士のご紹介もしております。

ご興味がございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

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