「かぼちゃの馬車」という名称でシェアハウスの管理運営を行う株式会社スマートデイズが、シェアハウスのオーナーに対する賃料の支払いを停止しているようです。
オーナーに賃料を支払うことができないことからすると、スマートデイズの資金繰りが悪化していると思われます。最悪の場合、スマートデイズが破産する可能性もあると思われます。
このような状況を踏まえて、弊事務所では、シェアハウスのオーナー(所有者)からのご相談をお受けすることといたしました。
初回相談(30分)は、無料でご利用いただけます。
初回相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせフォームから、ご希望の日時をご連絡ください。
平日であれば、夜間のご相談もお受けしております。
最後に、スマートデイズからの賃料支払いが再開されない場合に、一般的にオーナーとして検討すべき事項を、ご説明します。
1.自己破産を回避するために検討すべき選択肢
一般的に、本件のような事案において検討すべき選択肢としては、以下のものがあります。
オーナーとしては、まずは、下記の各種方法を組み合わせて、自己破産をせずにローンを完済できるかどうかを見極める必要があります。
弊事務所においては、これらの各種選択肢の実現可能性の分析や、その実行のサポート(交渉の代行、契約書の作成・リーガルチェックなど)を行うことが可能です。
【不動産の処理について】
①土地建物を売却する(建物を解体して、更地にして売却することもあり得ます)。
②スマートデイズとの賃貸借契約(マスターリース契約)を終了させた上で、入居者と直接契約をして、シェアハウスの賃貸業を続ける。
③建物を一般的なアパートなどにリフォームした上で、リフォーム後の建物を第三者に賃貸する。
④賃貸業以外の事業を新規に開始する(例えば、民泊事業など)。
【ローンの処理について】
①自己資金、知人や親族からの借入を原資として、ローンを完済する。
②ローンの借り換えをする(利率の低い別の金融機関から新規に借り入れを行い、その借入金をもってスルガ銀行に対する残債務を完済する。)。
③スルガ銀行と交渉し、返済方法を変更する。
2.自己破産をすることとした場合の流れや注意点
(1)やむを得ず自己破産をする場合の手続は、下記の裁判所作成のパンフレットの2枚目のフローチャートをご参照ください。
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/201701.leaf-jikohasan.pdf
(2)自己破産をした場合に手持ち財産がどのように処分されるか
東京地裁においては、自己破産をした場合、概ね、以下の基準に従って手持ち財産が処分されることになります。
①手持ち現金:99万円までは、手元に残すことが可能です。
②預金:すべての預金口座の残高が合計で20万円以下であれば手元に残すことが可能ですが、それ以外の場合には、残高が全て債権者への配当原資に充てられます。
③保険:解約返戻金がない場合又は解約返戻金(複数の保険がある場合には解約返戻金の合計額)が20万円以下である場合には、保険は解約されず、そのまま手元に残ります。他方で、解約返戻金(複数の保険がある場合には解約返戻金の合計額)が20万円を超える場合には、解約をした上で、解約返戻金が債権者への配当原資に充てられます。
④自動車:時価が20万円を超える場合には、売却をした上で、売却代金が債権者への配当原資に充てられます。他方で、時価が20万円以下の場合には、売却されず、継続して使用することが可能です。
⑤自宅:自宅を所有している場合には、自宅を売却した上で、売却代金が債権者への配当原資に充てられます。他方で、自宅が賃貸物件の場合には、そのまま居住を続けることが可能です。
⑥家財道具:通常の生活に必要な家財道具は、売却されず、継続して使用することが可能です。
⑦将来支給される予定の退職金:破産手続開始時における退職金見込額が160万円を超える場合には、その見込額の8分の1相当額を調達して、破産管財人に支払わなければなりません(破産をするからといって、その時点で勤務先を退職することまでは必要ありません)。なお、破産手続き中に退職した場合や、近日中に退職することが予定されている場合には、上記の「8分の1」が「4分の1」になります。
【注】在籍年数に応じて退職金の金額が高くなる会社に勤務している方は、自己破産をするタイミングが遅くなればなるほど、この⑦により破産管財人に支払う必要がある金額が高くなっていきますので、注意が必要です。
⑧新得財産(破産手続開始後に新たに獲得した財産):破産手続開始後の給与のように、破産手続開始後に新たに獲得した財産は、債権者への配当原資とはされず、破産した方が自由に利用することが可能です。
【注】自己破産をするタイミングが遅くなればなるほど、この⑧によって自由に利用することができる新得財産が減ってしまいますので、注意が必要です。
(3)自己破産をする場合の注意点
①弁護士、公認会計士、警備員、宅地建物取扱主任者など、自己破産をすることで制限を受ける国家資格などがあります。
②連帯保証人がいる場合には、債権者から連帯保証人に請求が行ってしまいます。そして、連帯保証人が債務を返済できない場合には、連帯保証人も自己破産をせざるを得なくなります。