こんにちは、当事務所は、港区六本木にある法律事務所です。
今日は、契約書の中によく出てくる暴力団排除条項(暴排条項)についてご説明いたします。
平成23年中に47都道府県全てで、暴力団排除条例が制定され、条例の中で、契約の相手方や代理人・媒介者が暴力団関係者であることが判明した場合には催告なしに契約を解除することができる旨を契約書に定めるよう努めることが求められるようになりました。
東京都の条例については、下記の警視庁のウェブページで詳細な説明があります。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/sotai/haijo_seitei.htm
この暴力団排除条例(「暴排条例」と呼ばれることもあります)を受けて、企業は、契約書の中に、相手方が暴力団関係者であることが判明した場合には催告なしに契約を解除することができる旨の条項を入れるのが通常です。
この条項を、「暴力団排除条項」とか「暴排条項」と呼んでいます。
暴力団排除条項の具体的な文例を、以下に引用いたします。
【文例】
甲及び乙は、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業・団体又は暴力団関係者、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者(以下総称して「反社会的勢力」という)との取引を排除するため、次の各号に定める事項が真実であることを表明し保証するとともに、本契約締結後もこれを維持し、次の各号に定める事項を遵守し続けることを確約する。
(1) 反社会的勢力が経営を支配していないこと又は経営に実質的に関与していないこと
(2) 自己及び自己の役員・従業員が、反社会的勢力でないこと、また反社会的勢力でなかったこと
(3) 自己及び自己の役員・従業員が、反社会的勢力を利用しないこと
(4) 自己及び自己の役員・従業員が、反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供給するなど反社会的勢力の維持運営に協力し、又は関与しないこと
(5) 自己及び自己の役員・従業員が、反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しないこと
(6) 自己及び自己の役員・従業員が、自ら又は第三者を利用して、相手方に対して、自身が反社会的勢力である旨を伝え、又は自身の関係者が反社会的勢力である旨を伝えることなどをしないこと
(7) 自己及び自己の役員・従業員が、自ら又は第三者を利用して、相手方に対し暴力的行為、詐術、脅迫的言動を用いず、相手方の名誉や信用を毀損せず、また、相手方の業務を妨害しないこと
【文例終わり】
ここでのポイントは、上記の(1)~(7)のうち、(6)と(7)をきちんと盛り込むことです。
(1)~(5)については、裁判になった場合に立証することが必ずしも容易ではないことが多いです。
例えば、外見や言動からして、反社会的勢力に該当する人物だという疑いが濃厚なケースでも、いざ裁判でそれを立証しようとすると、簡単ではありません。そして、訴訟で立証することに失敗し、解除が無効と判断されてしまうと、相手方に対して、不当な解除によって被った損害を賠償しなければならなくなることもあり得ます。
他方で、(6)や(7)については、相手方やその関係者の具体的な言動に着目した規定ですので、比較的立証が容易です。例えば、相手方から、「自分は●●の関係者だから、私の要求をのまなければ大変なことになるぞ」等という発言があれば、それをもって、(6)や(7)に該当すると言えます。
したがいまして、契約書に暴排条項を盛り込む際には、是非この点にご注意ください。
弊事務所では、暴力団排除条項はもちろんのこと、各種契約書の作成、リーガルチェックを全般的に行っております。
契約書の種類は、売買契約書、取引基本契約書、賃貸借契約書、雇用契約書、代理店契約書、フランチャイズ契約書、ライセンス契約書、業務委託契約書、共同開発契約書、株式譲渡契約書、業務提携契約書、投資契約書等、種類を問わず対応可能です。
また、契約書に関するトラブルの解決のサポートや、弁護士を代理人に立てて行う取引先との交渉等も行っております。
契約書の作成の際の注意点を確認されたい場合には、下記の記事も、参考になると思います。
①買主に有利な取引基本契約書の作り方
②売主に有利な取引基本契約書の作り方
③情報開示者に有利な秘密保持契約書(NDA)の作り方
④情報受領者に有利な秘密保持契約書(NDA)の作り方
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