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2015.09.24更新

今日は、情報の開示者に有利な秘密保持契約書の作り方をご紹介いたします。

個別の契約書の作成やリガールチェック等のご依頼・ご相談ももちろんお受けしておりますので、ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
典型的な取引基本契約であれば、弁護士費用は5万円(消費税別)~です。
また、顧問契約をご利用いただく場合には、内容によっては、より低額で対応できるケースもあります。

※情報の開示者ではなく、受領者に有利な契約書の作り方は、こちらで解説しています。なお、情報の開示はどちらか一方が行う場合だけでなく、双方が情報開示を行うこともあります。その場合は、開示する情報、受領する情報の内容、量などを勘案し、開示者に有利な規定とするか、受領者に有利な規定とするか、その間をとるような規定とするのかを考える必要があります。

 

1.秘密保持契約書とは
秘密保持契約とは、自らが他者に情報を開示する場合、他者が情報を開示する場合又は双方が情報を開示し合う場合に、開示する情報を秘密として保持してもらうために締結するものです。
取引を開始する場合や取引を開始するかどうかを判断するための情報を開示する場合等、情報を開示する/される場合に締結される契約であり、また、各種契約書内に秘密保持条項として規定されることなども多くあります。

2.秘密保持契約書に盛り込むべき内容
情報の開示者に有利な内容にする場合であれば、少なくとも以下のような条項を盛り込んでおくべきです。
①秘密保持契約締結の目的
通常、秘密情報の目的外使用は禁止するため、契約締結の目的を明確に規定しておく必要があります。
②秘密情報の定義
開示者としては、秘密情報に含まれる範囲を幅広くとり、受領者に幅広く秘密保持義務を課すのが望ましいと考えられるため、開示者が書面で開示したか否か、開示者が個別に秘密として指定したか否か、不正競争防止法上の営業秘密に該当するか否かなどを問わず、契約締結の目的に関連して開示者が受領者に開示した、又は将来開示される一切の情報を秘密情報とすべきです。
ただし、ここで具体的に記載していない情報は、法的に保護されない可能性がありますので、重要な情報は具体例としてもれなく記載しておく必要があります。
また、開示者と受領者間で契約締結の目的のための協議をしている事実そのものやその内容についても秘密として扱う必要がある場合は、この点も秘密情報に含まれる点を定めてください。
③秘密情報該当性の例外
一般的に、開示された時点で既に公知となっている情報、開示された後に自らの責任によらず公知となった情報、開示される前に既に取得していた情報、開示された後に第三者から守秘義務を負わずに適法に取得した情報、開示された秘密情報によることなく独自に開発した情報を秘密情報には該当しない情報とします。ただし、これらの情報にあたるかどうかが将来争いになることが考えられるため、これらの情報にあたることを証拠により立証できる場合に限定しておくのが望ましいです。また、開示される前に既に取得していた情報、開示された後に第三者から守秘義務を負わずに適法に取得した情報、開示された秘密情報によることなく独自に開発した情報については、情報を受領した後、または情報を開発した後直ちに、開示者にその旨を報告した場合に限る形とすべきです。
④秘密保持義務
一般的に、秘密情報を上記①の目的以外の目的で使用してはならないこと、秘密情報について厳に秘密を保持すること、開示者の事前の書面による承諾なくして第三者に秘密情報を漏えい・開示してはならないこと、秘密情報を善良な管理者としての注意をもって取り扱わなければならず、また滅失若しくは毀損し又は窃取されてはならないこと、上記①の目的の範囲内でのみ秘密情報を複製及び複写することができること、複製及び複写する場合には、その事実を書面に記録して開示者に提出することなどが規定されます。
秘密保持義務の例外規定としては、次のような事項が考えられますが、開示者のリスクが最小限に抑えられるように工夫する必要があります。
ア 目的を達成するために受領者側の特定の関係者に開示する場合
   この場合も、開示可能な者を限定的にし、開示できる範囲も契約締結の目的のために最小限の範囲内でのみ開示できることを定めるべきです。また、開示を受けた者には秘密情報を受領者の社内でのみ使用させるものとし、また、受領者は、開示を受けた者に対して、退職後も含めて当該秘密保持契約に定める秘密保持義務と同一の義務を課するものとし、開示を受けた者が当該秘密保持契約の各条項のいずれかに違反した場合には、開示者に対し、当該違反者と連帯してその責を負うものとすべきです。
イ 法令により開示義務を負っている場合又は裁判所その他の公的機関から本秘密情報の開示を命じられた場合
  この場合でも、受領者は開示の前に開示者に対して通知し、開示する情報の範囲を限定し、開示を受ける第三者による情報漏えいを防止するための必要な措置を講ずるために開示者と協議しなければならないこととすべきです。また、法令により開示前の通知が禁止されている場合には、受領者は、必要最小限の範囲で開示をした上で、開示後速やかに、開示した情報の範囲及び開示をした理由その他開示者が求める事項を開示者に報告しなければならない旨定めるべきです。
⑤調査権
開示者は、いつでも受領者に対し契約上の義務の履行に関し報告を求めることができ、また必要である場合には、受領者の事業所において契約上の義務の履行状況を調査することができるようにすべきです。
⑥秘密情報の返還
開示者からの請求があった場合には、秘密情報の返還を受けられるようにすべきであり、開示者からの指示に従い、秘密情報(秘密情報を含む文書及び記憶媒体等やその複製物も含む。)について、速やかに返還、廃棄、廃棄への立会いの許可、廃棄証明書の発行その他の開示者が指定する対応をとってもらえるようにすべきです。
⑦秘密情報の帰属
開示された秘密情報は開示者に帰属し、本秘密情報の開示は、特許権、著作権その他の知的財産権を譲渡しないことを明確にすべきです。また、開示された秘密情報に基づいて、受領者が発明、考案、意匠、商標、著作物等の知的財産の創作を行った場合は、その帰属および取扱い等を協議する必要がありますので、その旨も規定しておくべきです。
⑧漏洩時の対応
受領者が情報漏えいしている可能性を認識したときには、直ちに開示者に報告する義務を課し、開示者のしたがってその防止のための最善の措置を講じ、漏えいの原因の特定及び除去並びに再発防止の措置を講じるように規定すべきです。
⑨契約期間
開示者としては、契約期間は無期限とすべきです。
⑩損害賠償
秘密保持義務など秘密保持契約の内容に違反した場合には、受領者には開示者に生じた損害を賠償する義務が生じます。開示者としては、違反行為により生じた損害を幅広く賠償してもらうため、違反行為に起因して甲に生じた損害、損失及び費用(弁護士費用を含むがこれに限らない)を賠償の範囲として規定することとなります。
ただし、このような損害賠償条項を秘密保持契約書に入れたとしても、実際には、契約違反があっても、損害額を算定することが困難であるため、損害賠償請求ができないケースも多いです。それを見越して、「受領者は本契約に違反した場合、開示者に対して違約金として金●円を支払うものとする。ただし、開示者が違約金額を超える損害を被った場合には、当該超過部分につき損害賠償請求をすることは妨げられない。」等という違約金条項をいれることもご検討ください。通常は、受領者がそのような条項を盛り込むことに強く反対することが考えられますので、交渉によりバランスをとることとなる場合もあると考えます。
⑪非迂回
顧客情報を受領者に開示する場合には、受領者に対し、開示者の事前の書面による承諾なくして、受領した情報(上記③の秘密情報の例外に該当する情報も含む)に基づいて覚知した第三者への接触、連絡、交渉又は取引(第三者を介する等の方法で間接的に行うもの接触、連絡、交渉又は取引を含む)を行ってはならない旨規定すべきです。
⑫管轄条項
紛争が生じた場合にどこの裁判所で裁判をするかを決めるのが、管轄条項です。自社の近くの裁判所にしておきたいところです。
⑬その他
秘密保持契約が開示者に情報開示義務を課すものではないこと、受領者に対して現在または将来に関するいかなる法的利益又は事実上の期待利益をも付与するものではないことなども定めておくべきです。
また、開示者としては、受領者に競業避止義務を課す規定、開示者の従業員の引き抜きを禁止する規定をいれることも、必要に応じて検討してください。
さらに、開示した秘密情報の中には誤った情報や不確定な情報が含まれている可能性があります。そのような場合に、受領者から誤った情報や不確定な情報を提供したことに関して責任追及されることを回避するために、秘密情報の内容の正確性又は完全性について明示的にも黙示的にも何らの表明又は保証も行わず、秘密情報の不正確性及び不完全性について、受領者に対して一切の責任を負わないものとする旨を規定すべきです。

 

3.秘密保持契約書の作成等に係る弁護士費用
 典型的な秘密保持契約であれば、弁護士費用は5万円(消費税別)~です。
 また、顧問契約をご利用いただく場合には、内容によっては、より低額で対応できるケースもあります。
 詳細は、こちらのページをご覧ください。
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